全国特別支援学校知的障害教育校
PTA連合会
会長活動報告
2024/11/17
第24回全国役員・都道府県代表連絡協議会の実施
11月16日(土)に全国役員・都道府県代表連絡協議会が行われました。北は青森、南は沖縄まで全国のPTA会長の皆様、さらに校長先生、副校長先生、PTA担当の先生方に集まっていただきました。
コロナ禍を経て、オンラインによって開催される会議や研修会も増え、移動時間を節減することはできても、こうして集まり、皆様とお顔をあわせてお話ができるのはやはりいいものだなと思います。
自発的なコミュニケーションツールが生み出す共生社会への架け橋 〜Build Bridges, Not Walls 〜をテーマに、今年度は第一部として日本マカトン協会 代表の服部由起子様と旭出学園教育研究所 研究員の齋藤愛子さま、第二部として国立特別支援教育総合研究所 研究企画部 総括研究員 横尾 俊様をお招きした研修会を実施いたしました。
知的障害を持つ知的障害児者にとって、自らを表現したり、思いを伝えたり、状況を伝えることは困難さがあり、表現方法に偏りが出ます。この偏りをなくすのが自発的なコミュニケーションツールの一つとしてのマカトン法です。イギリスの特別支援学校では、マカトン法が取り入れられ、言葉が発出している、していないに限らず日常的に使用されています。この研修会を通じ、核言語330のうち60を習得し、実際に表現していくことで、マカトン法の手軽さと使いやすさを感じていただき、共通のサインを出すことで個人の自律に向けた支援の可能性が見出されることなどを感じていただきました。多くの参加者にぜひ自分の県にも取り入れてみたいとの声が上がりました。一度マカトン法が特別支援学校で取り入れられた過去がある学校もあり、改めて見直すきっかけになればと思います。
横尾俊様からは、イギリスにおける保護者支援を中心に、制度の詳細や海外の取り組みをご紹介いただきました。時折、挟まれるイギリスならではのお話が場を和ませておりました。先生のお話を通じて、日々の生活の中で、我々保護者ができることを楽しく学び、地域で暮らすこと、さらにはその先にある日本ならではのインクルーシブ教育の形を考えるヒントとなりました。教員の働きかた改革が推進される今、保護者は今与えられている環境をどのように捉え、何を大切にしていくべきかを考える時期を迎えているのかもしれないと考えさせられるきっかけとなりました。
皆様の多大なるご協力により、今年度の研修会も学びのあるものとなりました。ありがとうございました。
2024/10/15
令和6年度全国特別支援教育推進連盟 第3回理事会へ出席
10月8日、全国特別支援教育推進連盟の第3回理事会に出席しました。文部科学省より特別支援教育に関する最近の動向等についてお話を伺うことができ、大変貴重な時間をいただきました。
しかし、知的障害というエリアには、まだまだ大きなパッケージでの支援はないというのが率直な印象でした。
○医療的ケア児、その親への支援
○インクルーシブ教育
○5歳児検診のフォローアップ
○GIGAスクール構想の推進
○教員の働き方改革
など。
知的障害を持つ子どもたちの理解と具体的な支援をもっと声を大きくして訴えていく必要があると思います。
声を上げないということは、現状に満足しているということになります。
今の状態が100点ではないなら、変えていかないといけないと思います。
要望を出し続ける。必要性を訴え続けることが大事です。
文部科学省の初等中等教育局 特別支援教育課はその声を聞いてくれています。
聞く努力をしてくださっています。私はそう感じます。
来年度の要望書を作成するにあたり、全国の知的障害校からの切実な要望を送っていただけるよう、改めて啓発していく必要性を感じております。
そう、改めて心新たに背筋が伸びた日となりました。
2024/10/07
中国・四国地区特別支援学校知的障害教育校PTA連合会 研究協議会(島根大会)に出席いたしました。
9月27日、中国・四国地区特別支援学校知的障害教育校PTA連合会 研究協議会(島根大会)が、主幹校である石見養護学校と会場校の浜田養護学校の相互の協力体制のもと行われた。開催中は浜田養護学校の神谷陽一校長と石見養護学校の松島大吾校長とお話をする機会もあり、県内の知的障害校同士のつながりを直接感じられるエピソードを伺うことができた。スクールバスは登校便のみであったり、学校によっては運行していないところもあり、家族が送迎を主にしていたり、併設されている寮で生活している生徒もいたりと、地域の現状と工夫が垣間見られた。校内から日本海を望むことができ、その景観は羨ましさと共に、ため息が出るほどであった。全国的にも珍しい水産班を擁した浜田養護学校高等部は、名産の「たまも焼きいか」を始めとした水産加工に取り組んでおり、石見地方の伝統芸能である石見神楽を受け継ぐ「神楽部」がある。研究協議会開会を前に、神楽部による舞を観覧することができた。音、迫力と共に子供たちから湧き出てくるエネルギーをビシビシと感じ、思わず涙が溢れた。感動冷めやらぬ状態のまま会場を移し、石見養護学校、三浦健史会長の開会の言葉を皮切りに研究協議会が始まった。中国・四国地区の知的障害教育校が集まり(ハイブリッド)、「地域の中で自分らしく豊かに生きるための支援・教育の在り方」について考える機会となった。
講演では、20年間「浜田のまちの縁側」という子供たちの居場所を提供し続けている栗栖真里氏による「子どもの権利条約」について貴重なお話を伺った。子供が持っているあたりまえの権利の重要性を再確認した。栗栖氏の熱い思い、子供たちを守る活動、居場所を作る活動に頭がさがる思いであった。
この度の訪問で感じたことは、日本のどこに住んでいても、知的障害を持った子供たちが自分にとっての楽しみをきちんと理解し、知った上で選択ができること、そして、保護者も安心して過ごせるような未来を思い描いているということ。そしてなにより教職員の皆様の御尽力に助けられながら、安全な環境でトライアンドエラーを繰り返し体験させていただけることの大切さを感じた。訪問をすることで、その土地柄の風土と合わさった学びと人の想いを感じ取りことができる、私にとっても深い学びとなった。この場を借りて、改めて関係者各位に再度感謝を申し上げたい。
2024/09/24
奥能登地区の豪雨について
9月21日未明からの奥能登地区における豪雨により、被災された方々に心からお見舞い申し上げるとともに、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。元旦の地震から、復旧を進めていた中での豪雨による被害に胸を痛めております。
七尾特別支援学校本校、輪島分校、珠洲分校の児童生徒、職員全員の無事を確認されております。1日も早い復旧をお祈り申し上げます。。
https://cms1.ishikawa-c.ed.jp/nanaos/
2024/08/30
台風10号について
ジョギングよりもゆっくりのペースで日本列島を南から進んでいる台風10号による大雨、強風、高波、川の氾濫、土砂崩れなど心配はつきません。台風の勢力は次第に弱まっているようではありますが、台風の中心の近くだけでなく、離れた所にも大雨をもたらすとみられ、引き続き警戒が必要です。皆様、くれぐれも身の安全の確保を最優先でお過ごしください。
2024/08/24
全国研究協議大会 東北大会(山形大会)が開催されました!
8月24日山形県鶴岡市のシンボル、鶴とお城をイメージした美しい建造物とも言える、荘銀タクトにおいて、第40回 全国研究協議大会 東北大会(山形大会)が盛大に行われました。ハイブリッド方式により、参集・オンラインでの参加は約400人を超えました。
しみじみと感じた喜びは・・・
・人との対話で得られる温度感はやはり何にも変え難いということ。
・オンライン参加が可能になることで場所を選ばず視聴できることの
気軽さとそれによる参加者が増えること。
・志を同じくしている方たちとのつながりができること。
・知るということは前に進むことであることを実感すること。
他にも、改めて考えさせられることが多くありました。
PTA活動のプラス面も上記のこと言えるのではないでしょうか。
知的障害を持つ子供たちとその家族を支えるのは、行政や福祉、学校はもちろん、私たち当事者とその家族、地域も巻き込みながらの防災活動、障害の理解啓発活動、PTA活動を様々な工夫と連携を駆使して行なっているという、4つの分科会からの発表をしていただきました。
全ての発表者の皆様に改めてお礼を申し上げます。
2024/08/17
2024年8月8日に発生した宮崎県日向灘を震源とする地震について
2024年8月8日に発生した宮崎県日向灘を震源とする地震において、被害にあわれた住民の皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。気象庁より「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が併せて発表されていることもあり、災害発生時にとるべき行動や緊急連絡網等について、あらためて確認いただくとともに、全知P連HPにある防災タグをご覧いただき、何が有効な備えかを再確認していきたいと思います。
2024/07/16
要望書提出 文部科学省・こども家庭庁へ
全知P連で集約した要望書を文部科学省とこども家庭庁へ提出してまいりました。午前中に文科省初等中等教育局 特別支援教育課との懇談をし、さらなる想いをつたえました。
午後にはこども家庭庁支援局 障害児支援課との懇談をしてまいりました。
両省庁の皆様それぞれ、真摯に聞いてくださいました。
写真はこども家庭庁
要望書をお渡しするにあたり、感じたことを書き記しておきます。
私もまだまだ学び途中ではありますが、このように要望を持参して懇談をする流れで、
省庁の皆様と意見交換を何度かできると、より子供達の現状をお伝えすることができるのではないかと感じました。
許される時間は多くないものの、今後の活動につながる様伝え続けることの大切さも感じる時間となりました。
2024/07/06
全国特別支援教育推進連盟 第2回理事会に参加して
東京は連日の猛暑日が続いています。まるでサウナに入っているかの様な湿気と厳しい夏の日差しが肌に突き刺さる様です。さて、7月5日全国心身障害児福祉財団ビル内で行われた、全特推の第2回理事会に全知P連会長として初めて参加いたしました。特別支援に関わる活動を日本全国を舞台にして活躍していらっしゃる方々との交流を通して、さらなる学びを広げ、深めていきたいと思いました。今後の全特推の活動について、文科省「障害者の生涯学習の充実」、スポーツ庁「障害者スポーツ振興について」、国立特別支援教育総合研究所の研究活動について丁寧にお話ししてくださいました。その中で知的障害を持つ子どもの親として改めて生涯学習、余暇活動について私なりに書いてみます。(あくまで私個人の見解です。)
障害を持つ子ども達は、興味が偏りがちであったり、活動に付き添いが必要になることも多く、自分で活動に参加しようというよりは、親が、これならできるかなと判断して、させてみようとしても、活動の見通しがうまく立たなかったり、思ったとおりではないと癇癪をおこしたり、親にとって連れていくことの難しさに直面することがあります。ポジティブな経験値を増やしていくことは容易ではありません。さらに余暇や自由時間の過ごし方の種類を増やすことや(親のエゴかもしれませんが)子供の余暇を充実させるということも、容易ではありません。子どもとしては家でゲームやデバイスを使用して楽しむ以外に楽しいことって何があるの?と訴えてきそうです。国や自治体が仕組みが整えてくれ、都立特別支援学校活用促進事業や、生涯学習の一環として都立学校体育施設開放事業が功を奏し、活動の場が増えていくことは喜ばしい反面、ソーシャルストーリーを施しながら実際に活動に参加させられるかは、もしかすると親の腕の見せ所なのかもしれないし、学校でさまざまな活動を通して、子どもの長所を見つけられたらラッキーなのだろうか。理想としては、子どもが生涯を通して余暇として機能する「何か」に出会えることである。場が増えること、理解啓発が進み、その場がインクルーシブな環境であることを願いたい。